投資の格言で、
「人の行く裏に道あり花の山」
という言葉があります。
これは、利益を得るためには他の人と同じ行動をしていては得られないので、他の人の行動と逆の行動を取らないといけない、という意味です。
別の言葉では、「総悲観は『買い』」「総楽観は『売り』」とも言われています。
この言葉を地で行くのが、世界一の成功している投資家ウォーレン・バフェット氏です。
バフェットの逆張り戦略
みんなが浮かれている好景気の時には、株価も上がっているため掘り出し物が少なく、穴に入って冬眠するかのように何も手を出しません。
実際、ITバブルの時期には数兆円もの現金を持っていましたが、新しく株式を購入しませず、ITバブルが崩壊して株価が急落した際に、その現金を使って、安くなった株式を大量に購入し、株価が復活した時には莫大な含み益を得ました。
この戦略は企業にも有効で、事務用品大手であるキングジムが、この戦略を採用しています。
キングジムのスーパーニッチ戦略
キングジムは「スーパーニッチ戦略」という経営方針をとっています。
キングジムと言えば、電源を入れるとすぐに起動して書ける「ポメラ」や、手書きメモをデジタル化出来る「ショットノート」などが有名な会社です。
その経営方針の根幹は、
『他社のやらないジャンルを探す』
というものです。
他社がやらないジャンルに参入する方針は、他のベンチャー企業でも採用されています。
しかしキングジムの方針で珍しいのは、
『商品化に際して、全員賛成するアイディアはやらない』
という天邪鬼(あまのじゃく)な方針があります。
なので、新商品開発の企画を判断する際に、参加者全員が賛成した商品は商品化されない、という事になります。
その方針の結果として、通信機能など一切無くてメモをする機能だけなのに1万円以上する「ポメラ」が大ヒットしましたし、「ショットノート」(定価315円)などは、当初の売上目標を大きく上回る10万冊以上売れて大ヒットとなっています。
「ポメラ」が初めて発売された時は、
「誰がこんなものを買うんだろう?雑誌のライターなどくらいしかニーズが無いのでは?」
と思っていましたが、蓋を開けてみれば、シリーズ第4弾が発売されるほどの人気商品となりました。
考えてみれば、ビジネスマンなどが喫茶店などで報告書を書いたりするのに、軽くて持ち運びやすいので便利ですし、今はブログなど個人でも文章を書く機会が、以前に比べて格段に増えているので、ニーズは山ほどあることに気づきます。
大半のニーズは、事前に聞かれても思いつきませんが、目の前に『モノ』として現れれば、「コレだ!」と気づきます。
iPodなどが良い例ですね。
ユーザーの潜在ニーズに注意を払って、他社とは違う選択をすることが、成功への近道となります。