お金(=資産)を増やすには、まずは手元に残すお金を増やす必要があります。
投資の大賢人ウォーレン・バフェットのように株式投資で資産を増やすにも、ロバート・キヨサキ(「金持ち父さん、貧乏父さん」著者)のように不動産投資で資産を増やすにしても、一番最初に必要になるのは元手となる資金だからです。
資産を増やすための計算式
資産を増やすための計算式は下記の式で表すことができます。
資産=((収入―支出)+既存資産)×運用効率
最初に出てくる(収入―支出)が、サラリーマンにとっての「手取り」となります。
稼ぐお金(収入)を増やし、使うお金(支出)を減らし、すでに持っているお金(既存資産)と合わせて投資して効率よく運用することで、資産を増やすことが出来ます。
この式を構成するすべての要素が重要なのですが、今回は「支出」に注目してみます。
支出とは?
「支出を減らす」というのは、個人の生活で一番使われている言葉では「節約」になると思います。
また、会社なら「コストカット」「経費削減」になります。
「コストカット」と聞いて何を連想しますか?
私は、元日産自動車社長のカルロス・ゴーンが、まず最初に思いつきます。
カルロス・ゴーンは、倒産直前だった日産自動車をV字回復で鮮やかに復活させましたが、その経営方針の基本となったのが、徹底したコストカット(経費削減)だったと言われてます。
そのためゴーンは「コストカッター」という不名誉な(?)異名を付けられています。
お金(資産)を増やすには、この「支出を減らす」が重要なのですが、その秘訣が大人気漫画「スラムダンク」に書かれていましたので紹介します。
その秘訣はスラムダンク27巻に収録されている、第241話「4POINT」に描かれています。
スラムダンク 第241話「4POINT」のあらすじ
主人公である桜木花道の所属する湘北高校が、インターハイ連覇中の高校バスケの頂点に立つ山王工業高校と2回戦で対戦し、後半残り11分の時点で36点対58点と20点以上と大差をつけられ負けている時に、桜木花道はベンチに下がらされプレイを見るように湘北の名監督、安西先生に指示されます。
試合に負ければ引退となる3年生を出して、今後のために負けていく様を目に焼き付けるために下げられたと受け取った花道は、怒りに震えます。
しかし安西先生は問いかけます。
「私だけかね? まだ勝てると思っているのは」
安西先生は、まだあきらめていませんでした。
「あきらめたんじゃなかったのか?」と花道に問われると、安西先生の代名詞とも言える名セリフが飛び出します。
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」
安西先生が花道をベンチに下がらせたのは、ある教えを伝えるためでした。
それは「リバウンド」です。
チームメイトの流川楓のシュートが外れ、落ちてきたボールを山王工業の選手が取ろうとした瞬間に、
「ここだ!」
と、花道の頭を向きを無理やり変えて、ボールキャッチの瞬間を見させます。
そのリバウンドを取った山王工業が速攻で攻撃し、山王工業のエース沢北が豪快にダンクを決めると、会場が大きく盛り上がる反面、湘北高校のベンチはお通夜のように沈みかえります。
その雰囲気も気にせず、安西先生は花道に語り掛けます。
「リバウンドを取ったのが君だったらどうなる?
まず、山王のリバウンドからの速攻がなくなるね…
そして湘北にもう一度シュートチャンスが生まれる。
つまり-2点が消え、+2点のチャンスが生まれる。
君がオフェンスリバンドをとれるのであれば、それは…」
「4点分の働きってことか!!」
花道が興奮気味につぶやきます。
その様子を見てニコリとしながら、安西先生はさらに花道に伝えます。
「それが出来れば、君が追い上げの切り札になる」
リバウンドと節約の共通点
このエピソードは、節約・コスト削減と非常に共通している点があります。
例えば、1万円の節約をすることの価値は、1万円だけではなく、1万円以上の価値があります。
無駄な浪費などで1万円を使うと、財布から1万円が無くなりますが、使わなければ1万円は残ります。
その1万円を投資に回すことで、1年後に2万円になっているかもしれません。
たとえ損して5千円に減っていたとしても、元々無くなるはずのお金だったので、「0円だったのが、5千円が残っている」とも考えられます。
また、時給1,000円で働いているとしたら、1万円を稼ぐために10時間働かないといけませんが、1万円を使わずに節約する事で、その10時間分が働かなくてもよくなります。(働けばさらに1万円増えることになります)
商売のコスト削減で考えると、粗利益10%の商品を扱っているとしたら、1万円の利益を出すために10万円の売り上げが必要となります。
つまり、1万円のコスト削減は、10万円分の売り上げの価値があるという事です。
さらに税金の影響もあります。
仮に法人税が10%だった場合は、1万円の浪費を取り返すためには、約11万円の売り上げが必要となります。
11万(売上)×10%(粗利益率)×0.9(税金)=9,900円
11万円の売上でも1万円に届いていませんので、実際は11万円以上の売り上げが必要になります。
個人であれば、1万円の浪費を取り戻すために、給料が11,111円増えないと取り戻すことが出来ません。(所得税10%の場合)
まとめ
お金を増やすには、収入を増やす・売り上げを増やすのも大切ですが、支出を減らす(節約・コスト削減)の方も重要で、効果的という事です。
一見関係なさそうな、人気漫画の「スラムダンク」から意外な学びがありました。
必要となる売上や給料を考える事で、無駄な浪費を減らすことができるかもしれませんので、お金を使う際には是非一度考えてみるようにしてみてください。