株式相場の格言で「働き一両、考え五両」という格言があります。
働き一両、考え五両
何も考えずに働くだけなら一両の価値しかないが、考えて工夫することで5倍の五両の価値があるという意味です。
単位働くよりも考え工夫して働くことを奨励する格言ですが、株式相場の格言では、下記のように続きます。
働き一両、考え五両、
知恵借り十両、
コツ 借り五十両、
ひらめき百両、
人知り三百両、
歴史に学ぶ五百両、
見切り千両、
無欲万両
下に行くほど価値の高い行為で、特に最後の3つの重要性を説いています。
株式投資の3つの重要ポイント
格言では、
1)過去の歴史から学んで投資をすれば五百両の価値があり、
2)損をしてでも見切る事が出来れば千両の価値があり、
3)相場に対して無欲になれれば一万両の価値がある
と言っています。
歴史に学ぶ五百両
過去の歴史から学び、それを生かして投資をすれば利益が出やすくなります。
一番わかりやすい例がバブル期の対応です。
明らかに実際価値よりも株価が高くなっている時(=バブル)には、売買を停止して現金化しておき、相場が大きく崩れた後に購入することで、その後の株価回復時に大きく儲ける事が出来ます。
これが五百両の価値です。
これを地で行っているのが「オマハの賢人」と呼ばれる世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏です。
見切り千両
思惑と違って株価が下がった時は、想定とは別の動きをしているので、例え損失が出たとしても損切りすることが重要です。
1,000円で買った株価が700円になった時点で見切って損切りすれば300円の損失が確定しますが、その後、仮に200円まで株価が下がった時に比べると500円も損失を減らしたことになります。
「損失は限定し、利益を最大化する」が株式投資の鉄則ですので、痛みを伴う損切りには千両の価値があると格言は言っています。
無欲万両
そして最後に、相場に対して無欲(=自分の感情に邪魔されない)になれる事が出来れば、一万両の価値があると言っています。
相場で大きく損を出して市場から退場することになったり、儲け損なう時のパターンはたった一つです。
それは、「判断が自分の感情に邪魔される」パターンです。
「1,000円で買った株価が、700円になったら損切りしよう」と考えていても、実際に700円まで下がった時点で「もう少し待ったら上がるかも?」という気持ちが出てきて、売れなくなり、その後の更なる株価の低下で大きな損失を被ってしまい、損失が大きすぎて売るに売れない状況になります。
いわゆる「塩漬け」です。
また、順調に株価が上がってきて、1,000円で買った株価が2,000円になった時点で売ろうと思っても、「もう少し上がるかも?」と思って、当初決めていた売却価格になっても売らずにいたら、想定通り株価のピークで、あとは下がる一方で、気が付けば購入価格付近まで落ちている、というパターンです。
つまり「無欲=平常心」で相場に向かうことが重要で、自分で決めたルールは、その前提条件などが変わらない限り決めた通りに実行することが必要です。
この言葉が格言の最上位に来るくらい、平常心で相場に向かうのは難しいです。
株式投資自体が利益を目的として参加する事なので、損失や利益に対して感情的になってしまうのは仕方ないのかもしれませんが、常に平常心で相場に向かい、損切りを徹底して損失を限定し、過去に学んで市場のトレンドに乗る、というのが株式投資をするうえで、重要な3つのポイントとなります。。