起業することに対する、よくある3つの間違った思い込みを紹介します。
1)起業することは難しい
社会人になった時から、「いつかは社長になりたい!」とは誰でも一度は思うのではないでしょうか?
私は新入社員として入社した時に「10年以内に社長になりたい」と思っていました。
でも、現実の仕事の結果や優秀な先輩社員でもなかなか昇進できない状況を見ていると、
「とても自分なんか社長になんかなれる訳がないな・・・」
という負け犬根性に頭が支配されていきました。
会社で昇進して社長になれないのであれば、自分で起業して社長になろうと考えましたが、お金、スキル、人脈など何もなく、自分自身で起業するなんて夢のまた夢の状態でした。
しかし以前に比べ、現在では起業する事に対してのハードルが非常に低くなってきています。
お金に関しては、昔は会社を設立するのに資本金1,000万円(有限会社は300万円)が必要でしたが、今では最低1円の資本金で会社を設立することが出来ます。
またスキルの面に関しては、Webサイトやネットで提供されているツールを使う事でカバーすることが出来ます。
例えば、ブックオフで販売されている商品価格とアマゾンで販売されてる価格をチェックして、価格差があればブックオフで仕入れてAmazonで販売する「せどり」などは、際立ったスキルがなくてもビジネスを始めることが出来ます。
またインターネットの普及により、日本だけでなく世界中のインターネットユーザーを相手に、個人でもビジネスすることが可能になっていますので、人脈がなくても起業することが出来る時代になっています。
2)起業するのはお金がかかる
よくある思いこみの一つに「起業にはお金がかかる」というものがありますが、取り組むビジネスによってはお金のかからないものが多くあります。
もちろんコンビニのFC加盟などする場合は、加盟料の支払いや店舗の内装、備品購入や商品の仕入れで2,000万円~3,000万円の初期投資が必要となります。
ただ、インターネットを活用したビジネスを行う事で非常に低いコストでビジネスを始めることが出来ます。
例えば「せどり」などの小売ビジネスであれば少ない資金で始めることが出来ますし、ネットショップを利用したサービスの販売(例えば似顔絵イラストの販売など)では仕入れを行う必要がありませんので、資金0円から始めることが可能になります。
また、上の1)でも書きましたが、2006年5月に施行された新会社法により最低資本金が1円でも会社を設立することが可能になりましたので、会社を設立する際に必要なお金も大きく減少しました。
(資本金は1円でも可能ですが、設立登記の費用で25万~30万円ほどの費用がかかります)
さらに、株式会社以外に設立費用の安い「合名会社」を設立すればさらに安い設立費用で会社を作ることが出来ます。(設立費用は17~20万円前後)
※例えばiPhoneの発売元であるアメリカのApple社の日本法人は、合名会社の形態をとっています。
また、会社組織にこだわらないのであれば、個人事業主としてであれば税務署に届け出を出すだけでOKなので、今日にでも起業することが出来ます。
個人事業主であれば設立のための初期費用(印紙・登録免許税など)などが不要なため、0円での起業が可能です。
3)起業は特別なスキルや人脈を持った人がするもの
起業は特別なスキルや人脈を持った人がするものというのも、よくある思いこみです。
特別なスキルに関しては、もちろんある方が有利なのは間違いありません。
しかし、スキルがなくても優れたビジネスアイデアがあれば成功することが出来ます。
例えばアルバイト情報サイト「ジョブセンス」を運営している「株式会社リブセンス」の村上太一社長などは良い例です。
村上社長は、本人も認めている「普通の人」ですが、大学1年の時に起業したリブセンスを25歳で上場させ、当時の最年少上場記録を塗り替え、現在では東証一部に上場させるまでの会社規模に成長させました。
その原動力となったのが「成功報酬型」のビジネスモデルと、ジョブセンス経由でバイトを見つけた利用者に支払う「採用祝い金」です。
「成功報酬型」にすることで、バイトする人を探している企業は無駄な広告費を支払う必要がなくなり、バイトの決まった利用者は「採用祝い金」をもらえるのでバイトする前から収入を得ることが出来ます。
そして利用者が増えることでリブセンスは利益が増えるので、近江商人の商売方針である「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」のビジネスモデルになっています。
この様に、特別なビジネススキルがなくても、優れたビジネスアイデアがあれば成功することが可能です。
また、人脈に関する例では、ソーシャル・ ネットワーキング・サービス(SNS)を提供する「GREE(グリー)」があります。
「GREE(グリー)」は、ショッピングモールの「楽天」に勤めていた田中良和社長が、個人の趣味で始めたサービスですが、口コミで人気が広まり爆発的に登録者数が増え、登録ユーザーが10万人を超えた時点で、趣味として続けていくレベルではなくなり、会社を設立しての運営に切り替えました。
その後も順調に登録者数は増加して、株式上場までする規模になりました。
GREEの例ように、人脈がなくても最終的に上場できる規模の会社を、個人レベルで事業をスタートできる時代になっています。
今の時代に起業に際して必要なのは、お金やスキル、人脈などよりも、優れた(=儲かる)ビジネスモデルとそのビジネスに対する熱意だといえます。