日本はサラリーマンの納税方式として、源泉徴収制度を採用しています。
この源泉徴収制度と毎年12月頃に実施される年末調整により、給与所得意外の収入のあった人や年収2,000万円以上の人など以外は、原則として確定申告を行わなくてもよくなります。
納税者にとっては納税手続きが簡素化されて、時間とコストが削減されるというメリットがありますが、その反面、納付済み額から還付の受けられる税金(医療費控除など)の申告を忘れた「納税している意識が薄くなる」というデメリットがあります。
アメリカなどの海外では、自分で資料を作成し、納税期間中に確定申告を行うのが当然になっています。
自分で確定申告して、年間で支払う納税額を確認し、事前徴収分との差額を自分の財布から収めることで、納税意識も高まるし、自分がどれだけの税金を負担しているのかも自覚できます。
しかし日本のサラリーマンは、年末に1枚年末調整の書類を書くだけで確定申告をする必要がなくなるので、どれくらいの税金を負担しているかを自覚している人は少ないのが現状です。
サラリーマンと自営業者の税金への不満の差
また、毎月の給与明細を確認して、支払っている税金の額が多いことに不満を持っている人が多いと思いますが、その不満は自営業者のほうが大きいです。
これは、サラリーマンと個人事業主の支払う税金額の差ではなく、自分で確定申告して納めているかどうかの違いです。
給料の天引きではなく、7月と11月に前年度の確定申告額の1/3ずつを仮支払いするシステムのため、3月の確定申告と合わせて、年3回も税金を直接支払う事になります。
これにより、納税している自覚と痛みを年3回も実感しています。
自動車を持っている人は、毎年春に自動車税を支払っていると思いますが、この支払が年3回あるようなものです。
事業形態別の納税率
源泉徴収システムは、国にとって非常に都合の良いシステムで、本来税務署が行うべき業務を企業に代行させている側面もあり、日本の労働人口の大半を占めるサラリーマンのほぼ100%が、収入金額を国に補足されています。
「トーゴーサンピン」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは、事業形態別の所得の把握率と言われています。
つまり、サラリーマンは10(トー)割、自営業者は5(ゴー)割、農家は3(サン)割の割合で、国に所得が把握されているという意味です。
ちなみに、最後の1割(ピン)は、「政治家」を指していると言われています・・・
アメリカの100ドル札の肖像画にもなっている、アメリカ建国時の政治家ベンジャミン・フランクリンが、
この世には逃れられないものが2つある、それは死と税金だ
と言ったように、税金からは逃れることは出来ませんが、自分が収めている税金の額をしっかりと把握し、税金に関する知識を身につけて、無駄な税金は支払わないようにしましょう。